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教育関連、マスコミ、その他日常感じたことを綴る雑記です。

【詐欺解説】出会い工作詐欺

興信所が新たに始めた「工作」ビジネスを利用した詐欺。

工作ビジネス自体も、あまり褒められたものではない。

恋愛サポートを謳っているものの、後で知ったら気持ちのいいものではないだろう。

 

そもそも、偶然の出会いを演出するわけだが、その前には周到な調査が行われる。

何を好むのか、いつどこへ行くのか、こうした調査の上で出会いを設定するのだから、フェアとは言い難い。

 

こうした工作は他にもいろいろ存在する。

よく知られているのが離婚工作というやつで、これは殺人事件にまで発展したケースがある。

 

片方が一方的に離婚したいと考えている場合、相方に落ち度を作ることで離婚を成立させるわけだから、法的に仮に問題がないとしても、人倫にもとる行為であることは間違いない。

 

他にもリストラ工作や別れ工作など種類は様々ある。

リストラなどは会社側の依頼を受けることが中心になっているが、まれに個人からの依頼もある。

邪魔な同僚や上司をリストラに追い込もうというものだが、これなどは場合によっては損害賠償責任が発生する可能性すらある。

 

まともな興信所は別として、興信所の中には犯罪紛いの行為を行っているところも残念ながら存在する。

そういった興信所によっては、依頼者にも脅迫行為を行うことがあるわけで、安易な依頼は落とし穴になりかねない。

 

ネット上では出会い系などを利用して、有名人になりすますケースも多い。

金を払えばメールアドレスを教えるといったものもあるが、そんなことは絶対にない。

 

詐欺の場合は、本人になりすました人間が、いかにもそれらしいメールをしてくる。

生放送などをチェックし「今、誰某と一緒だよ」といったメールをしてくるのだが、そんなものはちょっと調べれば誰でも入手できる情報なのだ。

 

金を払えば何でもできる…そういう拝金主義が被害者の問題点とも言えるだろう。

【詐欺解説】貧困ビジネス詐欺

便宜上「詐欺」とつけているものの、そもそも貧困ビジネスなるものが、詐欺なのである。

その最低最悪ぶりは振り込め詐欺に並ぶものだ。

 

貧困ビジネスの基本は、生活保護制度にある。

ご承知の通り、生活保護は困窮層に対して最低限の生活を保障するものである。

その支給制度を喰いものにする。かつて生活保護で問題となったのは、偽装受給者の存在で、暴力団を中心に頻繁に行われていた。

 

ところが、この貧困ビジネスは実際に生活保護を必要とする人間に取り込むところに特徴がある。

 

特に悪質なのは、生活保護受給者を作り出すところだ。

つまり「働かなくても受給すればいい」と誘い込み、住居提供を行い、ピンハネするのである。

 

ピンハネといっても1割や2割といったものではなく、8割近いのだから事実上の搾取と言っていいだろう。

 

さらに、生活保護受給者が医療扶助を受けることを利用し、鬱病を装わせて向精神薬を入手し、それを転売するといった手法も行われている。

 

これらの貧困ビジネスはパートに分かれており、受給者を集める者、不動産を提供する者、薬の転売を請け負う者といる。

いずれにしても、生活困窮者をネタにして金儲けをしようというのだから、その悪質さが分かろうというものだ。

 

こうした詐欺を行う連中の考えはひとつで「公金ならば安定して受け取れる」に尽きる。

つまり、毎月間違いなく払われる金を収奪することが可能になるというわけだ。

 

関西から始まったこの最低ビジネスは徐々に東進し、関東以北へと波及した。

 

役所側の対応にも問題がある。

もともと生活保護は「騒いだもん勝ち」という話がある。

つまり、窓口でゴネたり強面が行くと認可されやすいというのだ。

過去において、受給を拒否されて亡くなった例などもあり、受給資格の審査は重要ではあるのだが、だからこそ、ゴネ得になってはいけないだろう。

 

無論、受給を誘われても従ってはいけない。

必要ならば自分でできる手続きなのである。

【詐欺解説】震災復興詐欺

人の不幸につけ込むという点では最も悪質かつ卑劣な詐欺である。

 

未曾有の大災害となった東日本大震災後、様々な形で詐欺が横行した。

震災後の詐欺自体は阪神淡路のときも、新潟中越のときも起きたが、規模や被害額は東日本大震災が最大級だろう。

 

また今回の大阪震災でも同様の詐欺が横行する可能性があり、注意が必要だ。

 

初期的には、被害があまりなかった地域における耐震補強を名目にしたリフォーム詐欺が目立った。

半壊・全壊ともなれば手の出しようもないわけだが、やや傾いたり壁にひびが入った。

歪みで立て付けが悪くなったといった家屋が狙われる。

「このままでは次の地震に耐えられない」「今補強しておけば、将来にわたって安全だ」という物理的側面からの騙しに始まり、「国の耐震基準が変わった」「役所の指導で補強しなければならない」などの制度的騙しへと繋がっていく。

 

役所からのチェックだと称して無料診断を謳いながら「これは手を入れないといけない。いずれ補助金が出るが、それも早く提出しないと時間がかかる。余震もあるので」と急がせていくことになる。

でたらめな補強や、アルミサッシ交換などで暴利をむさぼっていくのである。

 

その次にやってきたのが就業系の詐欺。

職を失った人々に対して「特別採用枠」があると持ちかける。

実際、各自治体では震災被害者に対して臨時雇用を行なったのだが、それを模倣したものだ。

 

「採用希望者が多いので、選別している。共済組合に加入したことにしておけば優先されるので、先払いするといい」などと数百万を騙し取った人間もいる。

 

東京に就職先があるとして支度金を取った例もあるし、過酷な労働条件に押し込んだケースもあった。

 

他にも仮設住宅に優先して入れるとか、代替地を早めに入手できるなど、被災者の心理的弱みつけ込んだ詐欺が頻発、さらには闇金業者までもが暗躍し、高利で金を貸すといった事態にまで発展している。

むろん、行政の対応の遅れや現地の混乱など問題は他にもあるわけだが、何よりも悪質極まりない、非人間的犯罪こそが摘発されるべきであるのは言うまでもない。

【詐欺解説】送り付け詐欺

勝手に商品を送りつけておいて、代金を請求してくるのがこの手の詐欺。

歴史は古く、少なくとも昭和四十年代には存在していた。

 

当時扱われていた商品は主に百科事典で、これは巻数が多いことから使われた。

どういうことかというと、全四十巻、あるいは五十巻といった商品の第一巻をまずは送り付けておき、断りの電話がない場合は第二巻、第三巻と送り続けていく。

もちろん代金を請求して。

 

最初、届いたときは無料と勘違いしてしまう。あるいは実際に無料と書かれていることもある。

だが、第二巻以降が無料であるとはどこにも書いていない。

途中で断ったとしても、「すでに受注と考えて全巻分の発注はすんでいるから、仮にいらないと言われても、その分の代金を払ってもらわないと困る」と言われることになる。

 

現代ではさらに悪質化している。

というのも、少なくとも百科事典は無価値ではないし、役に立つ可能性もある。だから「送り付け商法」という言われ方をした。

悪質ながら商売の範疇に入っていたのだ。

だが、今では無価値で受け取ってもどうしようもないものが商材になっている。

 

ボールペンを一本入れて代引きで発送し、五千円から一万円を騙し取るものなど、どう考えても騙し以外の何物でもない。

最近では返品の難しい生鮮食品を扱うことで回収率を上げている。

 

アンケート調査と称して連絡したり、懸賞を装うこともある。

カニはお好きですか」という問いかけが、詐欺の入り口になっているのだ。

 

この手の詐欺に対しては、受け取らないというのが一番の対抗策になる。

特に代引きは一度受け取って支払ってしまうと、返金を求めるのは難しい。

実際配達員から、その旨を伝えられる。

 

覚えのない商品なのだから拒否すればいいのだが、アンケートに応募したことから「もしかすると…」と考えさせることも狙いになっている。

金銭的にも十分に支払い可能な額なのが特徴でもある。

 

代金を支払わずに相手の名前を確認させてもらい、連絡をとることが肝要だ。

少しでも不審なら断固拒否。もちろん身内や友人に相談することも役立つだろう。

【詐欺解説】コンプレックス商法

昭和どころか明治、むしろ江戸時代から存在するのがコンプレックス商法だ。

 

簡単に言えば「背が伸びる」「痩せる」「胸が大きくなる」「毛が生える」「男性機能が増大する」といった類のもの。

 

もちろん、嘘だ。

だが、相変わらず広告は大手雑誌に平然と掲載されている。「運が開ける」といったものも増えている。

 

業者も巧みで「60日間返金保証」とあったりするが、60日後にはすでに会社がなかったりするからあなどれない。

 

人間が気にしているところを突くからコンプレックス商法と呼ばれているのだが、エステ産業や美容整形も根源的にはコンプレックス商法から遠くない産業である。

 

この手の、特に通販広告は引っかかると困るのだが、始めから嘘と分かっていて見るとそれなりに面白い。

特に「運が開ける」グッズはおもしろい。

札束をベッドにまいてにんまりする男、美女を抱えて得意満面の男。

 

ステレオタイプもここに極まれり、というところだ。

しかも、これだけすごい運(宝くじ高額当選、美女がどんどん寄ってくる、起業に成功して上場間近)が、わずか1万か2万のペンダントやブレスレットで得られるというのだから、笑うしかない。

 

神社のお札も似たようなものだと嘯いた業者もいたが、とんでもない話で、苦しいときの神頼みというのは、願望であり、実現約束ではない。

「うちの神社のお札を買った人は、誰も交通事故にあっていません」などと宣伝する神社はないし、少なくとも聞いたことはない。

 

こうしたコンプレックス商法や開運商法というのは、オカルトであり迷信に近いものがある。

詐欺はコンプレックスと選民意識が大切で、弱点を責めるか、選ばれた人という優越感を利用するかなのだ。

 

ここ数年で見ると痩せられる、禁煙できる、がいいビジネスになっているようだ。

本物もあるが、偽物もかなり混じっている。

タレントを使ってさも成功したように見える広告で、いかにもそれらしくしているが、内容はろくでもないものが多い。

 

コンプレックスを克服することは大切かもしれない。

しかし、そのコンプレックスだけが問題なのかどうか、よく考えることのほうがもっと大切だ。

仮に背が伸びたとして、胸が大きくなったとして、痩せられたとして、それ「だけ」で人生が変わるのかどうか。

人間というものが、そんなに単純な生き物だとは思いたくないものだ。

【詐欺解説】ブライダル詐欺

ブライダル詐欺(結婚詐欺)は、男女いずれが詐欺師であったとしても、財産と貞操が奪われるという結末からもわかるように、肉体的にも精神的にも大きなダメージのある詐欺である。

 

かつては街頭のナンパから始まり、趣味の共通するサークルやスポーツクラブといった複数人の集まる場所でターゲットを見つけることが多かった。

しかし、最近では婚活サイトを利用し、より確実な騙しを狙っている詐欺師が増えている。

特に「婚活」の動きから婚活パーティを利用し、カモを見つける詐欺師もいる。

 

結婚詐欺師の狙いはもちろん相手の保有する資産である。

金持ちの御嬢さんと思いがちだが、良家の子女は周囲がうるさく騙しにくい。

だから婚期を逃したOLなど、小金を貯め込んだ女性が狙われやすい。

 

男ならば両親が没して遺産相続した一人っ子中年などが一番の狙いどころとされている。

 

詐欺師に騙されないためには、相手の身の上をチェックすることが重要になる。

多くの事件で勤務先への電話がきっかけで逮捕に至っている。

通常の恋愛と違って、結婚を前提に知り合う場合は、特に身の上が本当かどうかのチェックは重要だということだ。

 

また、結婚にまつわるビジネス全体が詐欺的な側面を持っているわけで、結婚というイベントについては舞い上がるとぼったくられることになるので、冷静さが重要になる。

 

一生に一度のことだから、という気持ちもわかるが、実際にはスタート地点に過ぎない。

そこから長く続く人生のほうが大切なのは言うまでもなく、ぼったくり結婚ビジネスに大金を払うメリットなどどこにもないのである。

【詐欺解説】粉飾決算・架空取引詐欺

架空取引というのは、基本的に数ある粉飾決算の中の一手口だ。

 

粉飾決算とは、上場企業が株価の高値を維持したり、非上場であっても銀行融資を引き出すために行うもの。

売り上げを水増ししたり、コストを安くしたりして決算書を優良に見せかけるわけだが、もっとも効果的と言われているのが、子会社や関連会社を使った架空取引だ。

 

簡単にいうと架空取引は次のように利用される。

 

売上高が不足している場合、実際には存在しない売り上げを伝票上操作する。

そして、決算が終了するとキャンセル扱いになる。

結果的に実際に利益は発生しないのだが、帳簿上は利益が発生したことになるのだ。

期末になると行われるが、場合によって、融資を引き出すために、数か月にわたって帳簿上の取引を行っておき、融資が決定した後に全てをキャンセルや返品として処理することもある。

 

これを詐欺として行う場合には、親会社から金を抜き取ることが多い。

つまり、親会社から指令を受けて架空の売り上げを計上する場合に、取引先と結託して金額を水増しし、キックバックやリベートを取るのだ。

本当の架空取引ならば、金銭のやり取りは発生しないのだが、そこまでやるとバレる可能性が高いため、帳簿の1割2割程度の取引は実際に行うことになる。

その取引に上乗せして金を抜き取るのだ。

 

 

粉飾とは全く関係のない詐欺にも使われる。

悪質なものだと、受け取った商品を在庫扱いにしておき、転売するというものだ。

在庫のチェックが甘い企業や役所で行われる。

こうなると、見た目は商取引に見えるが、実際は単なる会社への背任行為である。

 

架空取引に協力していた企業が、スケープゴートとして切られることも珍しくない。

会社ぐるみで行われていながら、担当者の責任にされることもある。

 

結局のところ、市場優先主義で株価が何よりも大切にされたり、書類上問題がなければ融資が実行されるといった、全体のシステムが生み出している詐欺と言えるだろう。

 

粉飾決算や架空取引に協力するのが危険なのは言うまでもないが、仮に上司に命令されても、実行すれば担当者として処罰される上に、場合によっては全責任を問われることもあり得るのだ。