【詐欺解説】貧困ビジネス詐欺
便宜上「詐欺」とつけているものの、そもそも貧困ビジネスなるものが、詐欺なのである。
その最低最悪ぶりは振り込め詐欺に並ぶものだ。
ご承知の通り、生活保護は困窮層に対して最低限の生活を保障するものである。
その支給制度を喰いものにする。かつて生活保護で問題となったのは、偽装受給者の存在で、暴力団を中心に頻繁に行われていた。
ところが、この貧困ビジネスは実際に生活保護を必要とする人間に取り込むところに特徴がある。
特に悪質なのは、生活保護受給者を作り出すところだ。
つまり「働かなくても受給すればいい」と誘い込み、住居提供を行い、ピンハネするのである。
ピンハネといっても1割や2割といったものではなく、8割近いのだから事実上の搾取と言っていいだろう。
さらに、生活保護受給者が医療扶助を受けることを利用し、鬱病を装わせて向精神薬を入手し、それを転売するといった手法も行われている。
これらの貧困ビジネスはパートに分かれており、受給者を集める者、不動産を提供する者、薬の転売を請け負う者といる。
いずれにしても、生活困窮者をネタにして金儲けをしようというのだから、その悪質さが分かろうというものだ。
こうした詐欺を行う連中の考えはひとつで「公金ならば安定して受け取れる」に尽きる。
つまり、毎月間違いなく払われる金を収奪することが可能になるというわけだ。
関西から始まったこの最低ビジネスは徐々に東進し、関東以北へと波及した。
役所側の対応にも問題がある。
もともと生活保護は「騒いだもん勝ち」という話がある。
つまり、窓口でゴネたり強面が行くと認可されやすいというのだ。
過去において、受給を拒否されて亡くなった例などもあり、受給資格の審査は重要ではあるのだが、だからこそ、ゴネ得になってはいけないだろう。
無論、受給を誘われても従ってはいけない。
必要ならば自分でできる手続きなのである。