【詐欺解説】投資顧問詐欺
FXであれ、なんであれ、投資はすべて博打である。
ハイリスク・ハイリターンが基本であり、気軽にできるものでは本来はない。
無責任な評論家や一部マスコミが煽りに煽ったことで「誰でも簡単に儲かる」という誤ったイメージが広がっている。
誰かが得をすれば、誰かが損をするという基本原則すら忘れられてしまっている。
その結果、軽い気持ちで手をだし、痛い目にあうこともままあるのだ。
そのような状況下だからこそ、「私に任せておけば大丈夫」という詐欺師が出てくるのはむしろ当然かもしれない。
こういう詐欺師は道具立てをしっかりとしてくる。
詐欺は中身よりも見かけが大切であるから、家にしても外観が立派で奥行きよりも横幅、つまり見た目の広さを重視する。
流行の場所に事務所を構えるのも基本中の基本で、東京ならミッドタウン辺りが多くなる。
自信に満ち、高級ブランドを身にまとい、話題の場所に事務所を構え、立派な邸宅に住む。
この「見かけ」こそが相手を騙すための重要な要素になっているのだ。
多くの投資・出資系詐欺と同様に、初期配当を行うことも共通した特徴。
集めた金の一部を返却しているだけに過ぎないのだが、出資した側からすれば「本物」に見えてしまう。
十億集めれば、そのうち一割を配当に使っても九億が手元に残る。
仮に五億使っても五億残るのである。
詐欺師にしてみればまさに「濡れ手に栗」だ。
それにしても、こうした金融商品に手を出す人が多すぎる。
どんな内容、どんな名称であっても、こんなものはすべて相場と変わらない。
そして、相場に手を出して成功した人は少ない。
確かに個人トレーダーで大金をつかんだ人もいる。
だが、その背後には大量の敗者がいるわけで、自分がそちらにならない保証はどこにもない。
こうした詐欺に騙される人は、要するに「絶対に勝てるギャンブル」がある思っているようなもので、その段階で博打打ちのセンスも無いのだ。
そんな人が増え続ければ手数料で儲けている会社だけが笑い続けるという絶対原則がこれからも続き、ますます繁盛するのだろう。
なんとも情けない話である。